医学部新設について

医学部新設の概要

1970年代の医学部の新設ラッシュの反動で医師過剰を見越した国は、1979年の琉球大学医学部を最後に、医大と医学部の新設を許可してきませんでした。

しかし、その後東北地方では震災前から医療が疲弊しており、加えて震災によって多くの病院や診療所が廃止や休止に追い込まれ、医師の流出と慢性的な医師不足などの問題を抱えていました。

そうしたことにより、東北では疲弊した医療再生に貢献するため、医学部新設の要望が高まってきました。

医学部新設へは、医師会などが「教員を集めなければならず、その分他の地域医療サービスが低下する」ということで反対する姿勢を見せていましたが、政府が従来の方針を転換して、特例的に2校を新設することになり、1校は東北薬科大学に決定しました。

医学部を新設する東北薬科大学

東北薬科大学は私立大学で、医学部創設に伴って大学名を東北医科薬科大学に改めることにしています。

次は医学部の概要です。

1.開設年度・・・平成27年度開設を視野に入れ準備を進めます。

2.入学定員・・・100名 

3.教職員・・・文部科学省の定める大学設置基準に基づき、必要な教員を確保します。

4.キャンパス・・・当初、既存の薬学部キャンパスを活用しますが、学年進行に伴って新キャンパスを整備します。

5.設備投資・・・文部科学省の定める標準設置経費に基づき、校舎(研究棟、講義棟等)のほか機器等必要な施設・設備の整備を行い、また、附属病院の全面的な建て替えを実施します。

そして、学生一人当たりの6年間の学費を約3,400万円と想定し、入学定員100名のうち、50人を対象に約9割に当たる3,000万円を貸し付け、卒業後10年間の東北勤務を義務付ける方針を打ち出しています。

もう1校の動向は?

1校はまだ決まっていませんが、千葉県成田市や静岡県を軸に進むとみられており、そこで名前が出てきているのが、早稲田大学をはじめ、同志社大学、国際医療福祉大学などです。

早稲田大学は、医学部新設構想が何度かありますが、実現には至らず、今回の医学部新設の方針は好機と捉えているのではないでしょうか。

また、同志社大学は、医科大学を設置する方針を発表し、10ほどの自治体より誘致要望を受け、連携自治体の特定といった検討に入るなど具体的な動きがあります。

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